夏の名残はどこへ?
秋の空気の幼稚園で
カマキリさん出産。
虫かごの中からこんなところに!
カマキリさん、
小さいお部屋でごめんなさい。
お母さんカマキリに
何か食べさせなければ!
自然幼稚園に住んでいる
いろいろな虫たち。
子どもたちの仲間の
虫たちだけれど、
カマキリさんを大切に思うか、
バッタやちょうちょさんに心をかけるかで、
虫たちの運命が変わるのだ。
お母さんカマキリを大事にしている
子どもたちの
嬉しさ!
「ほら、ここにあるでしょ、卵!」
見たい
見せたい
仲間たち。
雨降りばかりのお天気だったもの、
ブランコが嬉しい
小さい人たち。
お友だちと一緒なら
待つことも楽しい。
あっ、交代だ。
「ありがとう!」
自ら代わって えらいこと。
お友だちが嬉しいと
お隣さんも こんなに嬉しい。
いいお友だちだ。
保育者も嬉しい。
あら、
お池のひよこさんも
自ら交代!
なんてえらいこと!
ずっと静かに待っていた人から乗るのだ。
お友だちが嬉しいと
お隣さんも嬉しい!
「ありがとう。えらいわ!」
自ら代わったお友だちも
誇らしそうだ。
♪こぎましょ こぎましょ ブランコを
とおくのおやまが みえるまで♪
60年前は、
本当に秩父のお山が見えたのだ。
行ったり来たり
忙しい保育者。
子どもたちの
心の動きを感じながら、
保育者たちも
思いきり心を動かしている。
子どもたちが嬉しいと
保育者も嬉しい。
保育者が親切だと
子どもたちも
親切だ。
お友だち同士が
温かい。
お互い同士認め合いながらの
遊びが続く。
子どもの持つイメージを
形に表す手伝いをする
保育者。
「ここまでやっておいてね」と
お庭の子どもの援助へ。
「あっ!」
「とった とった!」
「お母さんカマキリ、まだおなかが大きいから
もっと卵 産むよね」
「たくさん食べてね!」
工事現場の
いっしょうけんめい。
「この土管 取らないと!」
「運動会でお客さんが座れないもんね!」
「お母さんたちが落っこちたら大変!」
お部屋の海さんたちも
いっしょうけんめい。
イメージを実現したい。
年長さんの保育者は
子どもの輪の外側から
支える存在に。
育ってきたのだ。
「あっ いた!バッタ!」
「手でとった方がいいよ」
「とったよ!」
「あっ ここにも!」
「あっ 逃げた!」
「とった とった!」
「あたしもとった!」
「いっぱい食べられるね」
♪たべなければ いきられない
たべられたら いきられない♪
♪いのち♪の歌を
思い出す。
子どもたち一人ひとりが
今日の自己実現に向かって
いっしょうけんめいだ。
保育者たちも
いっしょうけんめい。
子ども一人ひとりが
自分の力を思いきり使って
伸びていけるように、
大人たちも
一人ひとりが
思いきり生活している。
保育者たちの心や頭の働きを
鋭くキャッチする子どもたち。
子どもが
大人たちの先生のように思える、
幼稚園。
幼稚園って
なんておもしろいのだろう!
なんて楽しいのだろう!
思ったこと 考えたことを
実現するのって
努力がいることだから
少し苦しいけれど、
自己実現は
楽しい!
苦しく楽しく、苦楽しい、
幼稚園の秋―――!