幼稚園は雨ばかり。
お庭の青虫さんも
さぞかし冷たいだろう。
赤とんぼさんも
翅が重いだろう。
おはよう、
おはよう、
赤とんぼさん。
ドングリさんも
おはよう。
今日も積木のお部屋が活躍しそうだ。
幼稚園はトクベツだから、
時々、中学生や小学生がやってきて、
子どもたちの援助をする。
または
自分も楽しく遊ぶ。
どの人も
この高階幼稚園の卒園生だから、
小さな子どもの心がわかる。
大学の教育実習生よりも 自然に
子どもに溶け込める。
去年の社会体験を覚えていて、
嬉しい子どもたち。
川の組からは 今日も
おはやしの音が聞こえてくる。
きのこ屋さんの
大繁盛。
池さんたちがお客さまだ。
焼き方の説明を
熱心に聞く子ども。
かき氷屋さんにもお客さま。
きちんと並んで
えらいこと。
いいところで食べている子ども。
小さいって
なんていいのだろう!
金魚すくいも
当然 人気。
こんなに捕れた!
満足まんぞく!
今度は呼び込み!
川のお姉さんたちの製作を見つめる
池さんたち。
お姉さんと一緒に作る池さんも。
あ、
ここにも中学生。
中学生のお姉さんたちも
子どもたちも
どちらも嬉しそうだ。
手作りヨーヨーの練習も
続いている。
お家には病人が。
池の組の朝。
おままごとのお家に上がる男児たちの
えらいこと。
「おかえりなさい!」
「ただいま!」
「スカートはく?」
「ぼく はこう!」
「赤ずきんやろう」
「やろう やろう」
だんだん集まってくる子ども。
いろいろと身につけて、
それぞれが
やりたい役になる。
役を“する”のではなく
“なって”しまうのだ。
幼児の世界の
素晴らしさだ。
目には見えない力だ。
できあがるまでがんばる
えらい人。
またペコペコするのか、うさぎさん。
お店屋さんの人たちも
なりきっている。
はじまり
はじまり。
今日はお母さんが
4人。
赤ずきんちゃんは2人か。
お気に入りの おばあさん役。
川の組の音楽は
♪くまちゃんの体操♪。
ダイナミックに
身体のあちこちを動かしている。
表情も豊かだ。
いろいろな動物に
なっている。
動物をやっているのではなく
なっているのだ。
ここが、大人である保育者の難しいところ。
やるのではなく、なってしまわなければ。
見つめる眼。
大きく美しい
クジャクの羽で
満足。
作りものの子どもも
満足。
中学生たちと一緒に、
熱気溢れる
海さんたち。
大きい人も
小さい人も
真剣だ。
大きい人たちも
小さい人と同じになって
いっしょうけんめいだ。
「おはようございます」
社長出勤のお友だち。
「遅い おそい!」と仲間たち。
さぁ遊ぼう!
おなかがすいて
お弁当。
中学生たちも
小学生たちも
懐かしいお弁当。
「お母さんが作ってくれたの?」
「うん、そう!」
お母さまの味を
共有する仲間たち。
お母さまの味で
育てられた
大きな子どもたちと
小さな子どもたちの、
当たり前だけれど
特別な,
トクベツな
一日―――!