恵みの雨の 2016.06.09
青梅雨の幼稚園。
止みそうで止まない
しとしと雨。
雨だから、お部屋で
仲良く遊びましょうね、と 先生。
もう変身が始まった
池の組。
「かわいいね」と
お友だち。
幼稚園は
楽しい!
こちらは
おねこさん。
恐竜さんは
電車に乗っている。
粘土で作っているのは
「ウメボシ!」
「どうぞ」
「はい、ウメボシどうぞ」
“あの反応”を期待する
みんな。
やっぱり
本物じゃないとダメらしい。
代わりに先生が
「プルプルプル!あーすっぱい!」
ウメボシのお味見が楽しい
池さんたち。
あー、
本当にすっぱくなってきた。
お母さままで
「あーすっぱい!」
同じお部屋で
違う遊びが繰り広げられる
幼稚園。
遊びのイメージが
膨らむ。
お友だちの遊びを
熱心に見つめる目。
お友だちの言葉に
意識を集中させる耳。
感じたり考えたりする 心。
お友だちは
一番の教育環境だ。
教育は お互い同士。
子どもも大人も。
川の組では
忍者たちが
修行に励んでいる。
朝になったので
眠る。
忍者は夜働くんだもの。
忍者屋敷の
ご近所には
お姫さまのお宅が。
川さんたちも
お友だちの工夫に
目を光らせている。
忍法
隠れ身の術は
こんなに
楽しい。
つい引き込まれる お友だち。
自分のことに夢中な人も。
火遁の術は
実益を兼ねている。
刀鍛冶の仕事も
ついでにできる。
川の組の仲間たちも
お互いが
いい教育環境。
忍者カレーのいい匂いに、
お姫さまたちも
食欲をそそられる。
テラスの電車たちが
海さんで飼っている
赤ちゃん金魚を見つける。
今日、海さんは
小さい人たちにナイショの
観劇会に出かけている。
池、川、海、
小さい幼稚園のみんなが、
お互いの教育環境になれるといい。
子どもも、母も、保育者も。
そう思う、
雨の恵みの幼稚園―――。