別れの日に

生きている 鳥たちが

生きて飛び回る 空を

あなたに残しておいて

やれるだろうか 父さんは

目を閉じてごらんなさい


山が見えるでしょう


近づいてごらんなさい

こぶしの花があるでしょう


「私の子供達へ」詞・曲 笠木 透。

あさっての卒園式に


お父様も歌ってくださるという。


サブタイトルは「父さんの子守唄」だ。

生きている魚たちが


生きて泳ぎまわる川を

あなたに残しておいて


やれるだろうか 父さんは


目を閉じてごらんなさい

野原が見えるでしょう


近づいてごらんなさい


りんどうの花が あるでしょう


生きている君たちが

生きて走りまわる土を

あなたに残しておいて

やれるだろうか 父さんは

目を閉じてごらんなさい

山が見えるでしょう

近づいてごらんなさい

こぶしの花があるでしょう


新しい歌ではない。

でも 今こそお父さんと一緒に


歌わなくては と思う。

この 自然豊かな幼稚園で


大切な幼児期を精一杯生きた

山の組年長児たちの


巣立ちの朝が すぐそこまできている。



一分一秒が惜しまれてならない 大人たちだけれど


子どもたちは そんなことは知らずに

成長の喜びに輝いている。

卒園式を楽しみにしている 子ども。

運動会だって 指折り数えた。

終わった後も 毎日運動会ごっこをした。

卒園式の後も 卒園式ごっこをしそうな勢いの


山の組年長児たち。

育ってきた山さんたちと

せめてあと1ヶ月 過ごせたら

どんなに創造的な遊びができるだろう。

叶わぬ願いと わかっていながら

過ぎゆく時を 保育者たちは惜しむ。

私たちは 立派な教育者ではなかったかもしれない。

けれど 子どもにとって嬉しいことは

私たちがどんなに立派であるかより

私たちそのものを 惜しみなく与えてくれるかだ。

子どもにとっての幸せは それに尽きる。


何をやるか 何をやらせるかでなく

私たち自身を与えること。


それだけが 私たちにできる。

そう 倉橋惣三先生がおっしゃった。

母も同じ。


子どもにとっての幸せは

母の味を 惜しみなく味わわせること。

それは 地下水のように

我が子の一生を潤すに違いないのだから。



父たちには


母と子と共に 五感を働かせて

生活してほしい。


そして 子どもが幸せでいられる世の中を


諦めず 目指してほしい。


そう願う 土匂う幼稚園ーーー。