春動く幼稚園。
今日はお庭が東海道。
殿様のお国のみかん山には
明るい日の光が満ちている。
子どもたちの幼稚園にも
明るい3月の光が満ちている。
山さんたちが作って遊んだ どうどう橋に
釘の頭が見えてきたので
板を打ち付けていたら
いい感じの長イスができた。
お客様がやってくる。
大工さんごっこで作った
お家兼お店も
いい感じだ。
「この長いおイスに 背もたれつけたら
もっと良くなるね」と
また始まった 大工さんごっこ。
「これは危ないものだから
先生と一緒にするんだよね」と みんな。
保育者と子どもの間に
強い信頼関係がなければ
こんな大工仕事はできない。
たくさん遊んでおなかがすくと
お母様のお弁当が待っている。
お弁当を広げると
お母様の顔が見える。
お弁当箱の上を
行ったり来たりする
お母様の手が見える。
我が子のためであっても
お弁当作りを億劫がる母が多いが
なんともったいないことだろう。
幼稚園にママはいなくても
ママが作ったお弁当がある。
幼稚園でママの味を味わえるのだ。
お母様はきっと
お子さんの気持ちになって
お弁当を作ったり包んだりしてくださる。
お子さんのためを思う
お母様の細やかな心配りが
お子さんの心を大きく動かし
豊かに成長する基になるのだ。
年長さんのお弁当は あと数回。
年長さんのお母様は きっと
我が子のために もっとお弁当を作りたい。
母のお弁当とさよならする日がもうすぐそこだなんて
月日の速さに驚いていることだろう。
手をかけて育てた子どもと 口ばかりかけて育てた子ども。
外側は同じように見えても
その中身の違いは やがてはっきりとわかるーーー。