園生活を共有して

水曜日。

残暑居座る幼稚園。

昨日つかまえた お腹の大きいカマキリが

卵を産んでお母さんになった。

バッタを与える。

あ、バッタをみつけた!

食べなければ生きられない命。

食べられたら生きられない命。


山さんたちは 虫も野球も好き。

運動会に「野球やりたい」と言う。

野球は時間がかかるから

リレーや綱引きができなくなっちゃう。

それでいい方法を考えた。

こうすればみんなストライクだし

順番に みんな打てる。

みんなホームランだ。


いつもの遊びの中に ひとつ


運動会が増えた 山さんたち。


山の組には

さっきから 森さんが。

夢中で遊ぶ 仲良したち。

山さんたちも

それぞれ 熱心に

自分の遊びに取り組んでいる。


森の組のおままごと。

小さい人のお部屋は

あっという間に ものが散乱する。

保育者は 行ったり来たりしながら

散乱したものを


どけたり乗せたりする。

あまりぐしゃぐしゃになってしまうと

頭の中もぐしゃぐしゃになって

いいことを考えて遊べなくなるからだ。



木陰の滑り台で

お友達とつながる 仲良したち。


暑いのに こんなにくっついて

楽しさの共有。

小さい人たちも いいお友達になったのだ。



ブランコのお友達も

楽しさを共有。

砂場のお友達は

おいしさを共有。



散乱していたブロックを

よけて まとめておいたら

また遊びが再開。

幼稚園の先生たちは

“今”と “少し先”を 考えて

心と身体を動かしている。


山さんたちのおままごとは

小さい人たちほど散乱しない。


脱いだらたたんでいる。

担任がしてきたことが


いつの間にか身についてきたのだ。

今日はお城のパーティーらしい。

素敵なドレスが踊っている。



運動会の空を飾る旗。


今は保育室の天井を飾っている。

いつもの遊びの中に


運動会が増えた

山さんたちの生活の中

ザクロの稔りが嬉しい。


この季節が また巡ってきたのだ。

まだ若いザクロだけれど きっとおいしい。


「甘いね」「おいしいね」と

子どもたちに褒められて

ザクロだって 嬉しいに違いない。


おいしい子ども。

嬉しい子ども。

種飛ばし競争を始める


男児たち。


小さい森さんたちも


もちろん お相伴にあずかる。


幼稚園のザクロは

まだまだたくさんなっているから

この熱中に気づかない

ドングリチームにだって

チャンスはまだまだ 限りなくある。

せっかちさんも のんびりさんも

園生活をたっぷり共有して

育っていってほしい。


そう願う 秋の気配の幼稚園ーーー。