保育の味

薫風の金曜日。

今日も達成に向かって 思い切り遊ぼう。

昨日 アリのさなぎを見つけて

わくわくした 山さんたち。

アリを飼って もっとわくわくしたい。

ダンゴムシも飼いたい。

アリもダンゴムシも

大好きな 小さいお友達だ。

お友達のちょうちょ。

「触らせて」

「翅 おけがしてるから まって」

「痛いからね そーっとそーっと」

「そーっとそーっと」

昨日つかまえた お怪我のちょうちょさん。

いっぱいかわいがったから

鱗粉も はがれてしまったらしい。

でも 大切にしてもらって

きっと 嬉しいに違いない。

砂場の困惑。

小さいお兄さんが作った道路が

新幹線の線路になっちゃったのだ。

でも 「いいことにしよう」と

えらい 小さいお兄さん。

幼稚園の いいところ。

それは 自分と違うことを考える

お友達がいるところ。

一人ひとり違ってはいるけれど

一人ひとり 心が柔らかいから

お友達が心を惹かれている そのことに

自分も 心を動かす。

お互い同士が教育環境 というけれど

お庭やお部屋で

違う遊びが 繰り広げられ

それぞれが 達成に向かって 一生けんめいな

この幼稚園の 良さ。

心を惹かれて 一緒に遊ぶうち

いろいろなことがありながら

いろいろなことがあるからこそ

お友達が 大好きになっていくのだ。

けれど

安心感の乏しい子どもは

お友達とのやり取りに

自分を守ることが 優先される。(大人になっても そういう人がいる)

すっかり安心して 機嫌よく

柔らかい心で 生活できれば

お友達の良さも 吸収できるのに。

お母様との 間柄。

お母様との いつもの日常が

子どもの世界に 深くかかわる。

日頃の お母様の親切

共感 共鳴の信頼関係が そっくりそのまま

子ども同士の 親近感

思いやりや信頼感に なるのだ。

自分の手で 我が子を大切に育てようという

お母様ばかりの この幼稚園は

安心感を貯えた 子どもばかり。

だから お互い同士が

優れた教育環境。

建設的な集団だ。

いろいろな理由があって

母の味を 味わえず

不安や不満が 心に募り

安心感を得られない子どもが 多く集まると

自分の力も

お互い同士の力も 使えない。

思いを形にしようという意欲が 乏しいから

お友達と

遊びのイメージを共有することは 難しい。

遊びの継続や達成は 難しい。

建設的な集団を作るのは 難しい。

“建設的”の反対は “破壊的”だ。

破壊的な集団には

お互い同士を教育する力はない。

幼稚園というところは

お母様と保育者が 信頼しあいながら

互いに手をかけ 心をかけ

幼い子どもたちの建設的な生活を 支えるところだ。

そして その日々は

苦しいこともありながら 実に楽しい

苦楽しく 味わい深い日々なのだーーー。