母の味 幼稚園の味

お庭の雪寄せ草に 小さな氷の花が咲く

木曜の朝。

今日は嬉しい カレー幼稚園だ。

一生懸命遊んで

おなかをぺこぺこにし

おいしいカレーをたくさん食べるのだ。

子どもの生活は遊びだ。

遊ぶことは 生きることだ。

子どもたちの遊びの生活を支えるのは

保育者たちであり

お母様たちだ。

お母様たちは 毎日のお弁当で

いつもの母の味を 味わわせ

我が子の心と身体に

安心と満足を 与えている。

お弁当は 素朴で飾りけのないもの

いつもおんなじなのがいい のだけれど

今日はトクベツなお弁当

幼稚園の味カレーだ。

厨房のお母様たちは

幼稚園に伝わる 絶品カレーの味目指して

一生けんめい。

お庭の子どもたちは 落ち葉焚き。

前回も前々回も お休みだったお友達に

焼き芋を食べさせようというのだ。

カレーのデザートに ちょうどいい。

厨房では ローリエを取り出し

はちみつ・りんごを加えている。

バターを入れ 味を調え

さあ! おいしいカレーのできあがり!

嬉しそうな 山さんたち。

いただきます!

おいしい! おいしい!

おいしいねえ!

サイコー!

サイコー!

夢中なお顔が並ぶ

山の組。

よほどおいしいに違いない。

いったい何度目の おいしい!なのだろう。

何度目の サイコー!なのだろう。

思わず ペロリと舌が出る。

カレーのいい匂いに

もう待ちきれない 森さんたち。

いただきます!

夢中だから 何も言わない子ども。

思わず おいしい!という子ども。

大きい人たちのように

サイコー!とは 誰も言わないけれど

サイコーにおいしいことは

お顔を見ればわかる。

一生けんめいお口に入れる 小さい人を見ていると

胸が熱くなって 泣きそうになるけれど 我慢する。

お料理サークルのお母様たちも

きっと同じに違いない。

ありがとう ありがとう お母様たち

ありがとう ありがとう 子どもたちーーー!