好天の木曜日。
楽しみにしていた 焼き芋ようちえんだ。
お芋の土を落とし
仕上げ洗いをし
アルミホイルに包む。
お仕事は たくさんある。
焼き芋のベテラン 年長さんたちには
おいしい焼き芋を作るための仕事を
自分たちが担っているという 気概がある。
小さい人たちは 大きい人たちの真似をして
何だかよくわからないけれど 楽しい。
落ち葉が燃えて
煙が立ちのぼる。
「あー 煙が雲になっていくよ!」
木々の高みにいた頃の 葉っぱたちの思い出が
煙になって 立ちのぼっているのかもしれない。
煽ごう!煽ごう!
うちわで 風を出そう!
一生けんめい煽ぐと
隠れていた火が 姿を現して
焚火が大きくなっていく。
熱い!熱い!
熱いから 自分を冷やすためにも 煽ぐ。
まだまだ 足りない!
もっと 落ち葉をくべよう!
一生けんめいお仕事しているうちに
柔らかくなってきた お芋。
「小さい人からどうぞ」と お姉さん。
おいしい焼き芋が できあがったのだ。
お庭で焼いた初めての焼き芋を
無心に食べる。
フーフーしながら 食べる。
あつい!
あまい!
おいしい!
大きい人たちには 充実感が 満ちている。
自分たちが焼いた お芋だもの
おいしさは 格別だ。
目的に向かって
一生けんめいになって仕事をした後の お父さんのようだ。
落ち葉たちの思い出が 立ちこめる
懐かしい幼稚園で
何度も何度も おかわりしながら
甘いお芋を味わう 幸せ。
ありがとうありがとう 落ち葉たち!
ありがとうありがとう お手伝いありがとう!