幼稚園の
晩秋。
落ち葉と遊べる季節が
今年もやって来たのだ。
嬉しい
嬉しい
子どもたち。
嬉しい朝。
日溜りの落ち葉の
いい音。
いい匂い。
手の届かない
空の高みにあった葉っぱたちが
遊び相手になってくれる
嬉しさ!
お家で育てていた
幼稚園の幼虫が
美しいルリタテハに!
晩秋から冬にかけて成虫になり、
そのまま越冬するのだ、きっと。
寒くて飛べないアゲハチョウも。
1人、また1人と
お友達がやって来て、
だんだん楽しくなる
幼稚園。
寒いからと
上着を着せてもらう
ヒーロー、ヒロインたち。
暖かくなって
もう脱いじゃったヒロインも。
鼻水を自分でふく
えらいウルトラマン。
いつも先生にしていただいているように
カゴの中へ捨てている。
本当にえらい!
連休のあとの幼稚園なのに、
どの人も安定している。
高階幼稚園の
お母様たちは
本当にえらいと思う。
新人のヒーローも
負けてはいない。
お母様にたっぷり甘えているから
強いのだ。
幼稚園は楽しい!
こうして
自由感を味わいながら
思いきり自分の力を使う。
子どもたちは
自分たちが 教育されていることとは知らず、
夢中になって遊ぶ。
保育者たちは
子どもさながらの生活を
こわさないように、
遊びの中に教育を入れていく。
イメージを広げたり、
深めたり、
取り組んだ遊びが
もっと おもしろくなるよう
援助する。
保育者たち自身も
持っている力を精一杯使うので、
幼稚園じゅうが
一生けんめいな空気になる。
子どもたちは
その空気に教育されるのだ。
暖飯が始まった。
お母さまのおべんとうが
作りたてのように
ホカホカだ。
「あったかいね」
「おいしいね」
実習生の先生に
「おべんと あるの?」
「あるわよ」
「よかった!」
優しい池さんたち。
海さんたちにとっては
懐かしい暖飯。
小学校のお姉さんにとっても。
おいしい匂いが
お部屋じゅうに。
「あー、カレーだ!」
「カレーようちえん楽しみだねー!」
暖飯が終わる頃、
海さんの園生活も終わるのだ。
そんなことは少しも気づかず
「おいしいねえー!」。
暖飯は初めての川さん。
「あ、あつい!」。
「初めてだもんね」
「あたし、玉子の組くらいから
知ってるけどね」。
あったかいね、おいしいねと
夢中でほおばる
川さんたち。
お弁当箱の上を
行ったりきたりする
お母さまの手が見える、
あたたかいお弁当。
午後の海さん。
午前中に自分たちで計画した
動物園ごっこの
チケットを配り始める。
ペンギンとカメ
お魚を与えるお客さま。
ライオンは
吠える練習。
ごっこ遊びを手伝ってくれている
小学生のお姉さん、ありがとう!
また来てね!