偶然の出会いが嬉しい
幼稚園の朝。
昨日は青虫。
「進む方が前だよね」。
今日はキノコ。
ニョキニョキたくさん生えている
かわいいキノコたち。
「栽培しているみたい」と
お母さま。
「焼けば食べられる?」と
子ども。
「毒キノコかもしれない」。
キノコは専門家に見てもらわないと。
幼稚園のキノコ博士たち。
「夏休み前にも ここに生えてたよね」
「きっとここに キンが残っていたんだよ」
さすが 川さんの頃から
研究しているお兄さん。
「かわいいねえ」
「これは赤ちゃん」
「これは大人」
「これはぼく」
「やっぱり食べたいなあ!」
「ダメだよ、食べられない!」。
偶然の出会いも保育。
運動会の練習ばかりしている
幼稚園だったら、
こんな時間は持てないのだ。
子どもの生活に 偶然はつきもの。
昨日だって
玉が赤白になっているのを
*偶然*発見したのだから。
赤が勝つか
白が勝つか。
ドキドキしながら
待つ子ども。
「白の勝ち!」
「わあっ!勝った!」。
勝ったり負けたりするのだって
偶然だ。
幼稚園のいつもの朝。
嬉しい朝。
三輪車が出払ってしまい、
さっきからガマンしている人は
嬉しくない。
でも、
親切なウルトラマンさんに
替わってもらい、
かわいいおねこさんが
慰めてくれ、
やっぱり嬉しい
幼稚園の朝。
お池のそばの柿の実が
おいしそうに色づいた。
「食べよう!食べよう!」
収穫を手伝う 子どもたち。
こんなにたくさんの稔りを
子どもたちに与えてくれる
柿の木のありがたさ。
秋の自然の
ありがたさ。
小振りの柿の実は
子どもたちにちょうどいい。
おいしい!おいしい!
あまい!あまい!と
こんなに喜んでもらって
柿の木もさぞかし
嬉しいことだろうと思う。
お手々をきれいにしてもっらたり、
虫をみつけたり、
もっと
食べたくなったりしていると、
誰かが 偶然カミキリムシの穴を発見。
カミキリムシは見つからなかったけれど、
木に登ってみたくなる子ども。
ここからなら登りやすい。
おお、
まるでおサルさんのようだ。
「高くて気持ちいい!」というので
ぼくも!と登り始める。
「やっぱりこわい!」と 断念。
次のおサルさんは
達成!
次は子グマさん。
友だちの応援に支えられて
達成!
大喜びのお友だち。
次々に達成する
お友だち。
木登りはおもしろい。
おもしろくて おもしろくて
たまらない。
女児たちは
あっさり達成。
「ぼくだって!」
「ぼくだって!」
「小さくたって おサルのマークだものね」
「ぼくも!」
「きっとできる!きみこせんせいが
*おじいちゃん*だもの!」。
「ぼくもやる!」と
ここまで登れた!すごい!
「ぼくこわいけどやってみる」
「やっぱりこわい~~」。
友だち 応援!
勇気を振り絞って
達成!
友だちの勇気に心が動き
さっき断念した子どもも
達成!
溢れる勇気を 身体に感じて、
子どもも ケヤキも
嬉しくてたまらない。
ここにも
溢れるほど水を汲む子どもが。
こぼさないよう
身体中の神経を使っている。
達成の喜びを味わうために。
持って生まれた力を精一杯使って
幼児期を思いきり生きてほしい。
そう思う、
柿の実稔る幼稚園―――。