木漏れ日を浴びて
こいのぼりが 泳ぐ。
幼稚園はいつだって子どもの日だ。
お休み明けの月曜日だけれど
みんな いいお顔でやってきて
嬉しい。
すべり台のネットに
鼻をぶつけちゃったお友達を
心配する
仲間たちの
心持ちが嬉しい。
幼稚園の子どもたちは
いつだって上天気。
今泣いた子どもが
もう 虫をつかまえた。
♪げんきにあそぼう
なかよくあそぼう
こどものひだ こどものひだ
うれしいな♪
誕生会の再現を始めた
海さんたち。
池さんだって踊りたい。
あら、上ぐつが…。
「はーい、もってきたよ!」
「ありがとう!」
「ぼくもやりたい」
池さんとひよこさんが加わって
踊ろう!
踊ろう!
踊ろう!
「ぼくもいれて」
こんなに楽しそうなんだもの。
ついやりたくなる。
心が動くと
身体が動く。
♪たんたんたんたん
たんぽぽさん
ちょうちょのおりぼん
ひぃらひら♪
おとなりのお部屋からも。
♪のりおりごじゅんにねがいます
のりおりごゅんに ねがいます♪
♪おててつないで のみちをゆけば
みんなかわいいことりになって
うたをうたえばくつがなる
はれたおそらに
くつがなる♪
池さんたちも一緒になって
楽しそうだこと。
お部屋の池さんたちは
静かだ。
♪ちびくろさんぼ♪のお面を作る人。
本を読む人。
それぞれが いっしょうけんめい。
どの人も、
持っている自分の力を使いたい。
使って 使って、満足したいのだ。
♪ことしのぼたんは よいぼたん
おみみをからげて すっぽんぽん
もひとつおまけに すっぽんぽん
「ぼく もう帰る」
「どうして?」
「カレーをいっぱい食べるんだ」
「じゃあ さようなら」
だれかさんのうしろに
ヘビがいる
「ぼく?」
「ちがう」
保育者たちは、
子ども一人ひとりが
持って生まれた力を使って
成長できるように、手助けする。
そこに教育がある。
子どもたちは
ただただ楽しく遊んでいる
と思っている。
保育者たちは
子どもさながらの生活を
壊さないようにしながら、
その遊びの中に
教育を入れていくのだ。
「この花 うちにもあるよ」
「あっ 何かいる!」
「ハナムグリだ!」
「捕まえた!」
「あっ、ちょうちょだ!」
お花畑ステージで
♪ちびくろサンボ♪が始まった。
大きい人も小さい人も、
誕生会の、あの音楽劇を
やりたくてたまらない。
お客さまたちは
あちこちで観劇。
トラが登場すると
ちょっと
緊張。
それぞれが
お話の世界に入って、
思いおもいに表現する。
すばらしい表現力。
忍者までもやってきて
走り出してしまう。
お客さまたちも つい、
トラに変身。
かわいそうなサンボ。
トラたちは、
オレさまが一番立派だ と
ケンカを始める。
お客さま、緊張。
トラはバターになっちゃった。
めでたしめでたしのエンディング。
「もういっかいやろう!」。
役を代わり合って
音楽劇が続く。
何度も何度も
続くのだ。
静かなお部屋で
楽しい子ども。
やっぱり自分のお面がほしい
子ども。
一人ひとり、
一つひとつ、
丁寧な遊びが繰り広げられる
幼稚園―――。