作り上げるために 2016.06.27
梅雨の晴れ間の月曜日。
幼稚園の朝は眩しい。
朝の日課、
三輪車が走り回る。
こちらも日課。
ダンゴムシ探し。
お友だちが手伝ってくれる。
お友だちが
「すごいね」って言ってくれる。
旅の途中で
アリの巣を見つける。
温泉に入っている。
出られるのか。
あっ 出られた!
駅で待っていると
必ず誰かが
乗せてくれる。
偉くなった池さんたち。
ゴザを並べて
迷路を作る。
アリさんにブドウをあげよう。
「あっ ダンゴムシ!」
「ここダンゴムシのおうち?」
ここでもダンゴムシ探しなんだけれど、
「鼻の中がイタイ!」
「フン!として!」
「あっ!
出た!」
「あっ ダンゴムシ!」
ダンゴムシを鼻の穴に入れてみたのだ。
入れない方がよかったようだ。
「ダンゴムシさん、
お鼻に入れないのよ」
「逃がしてあげましょう」
ツリーハウスで、
「うーん、コクワガタいないね」
「カナブンもいない」
今日は樹液が出てこない。
「とおり道 作って」
えらい運転手さん。
ゴザの迷路を踏まずに走る。
こういう神経が
他の遊びにも働く。
できあがったお弁当。
まだお昼じゃないけれど、
早く食べたい。
できあがったスポーツカー。
いろんなものが
できあがる。
作りあげるのは楽しい!
おままごとの
お母さんのエプロン。
「自分でできる!」と言ったけれど、
「あたし やってあげる。
ちょうちょのは まだできないけど」
幼稚園の仲良しさんたちが
遊ぶ。
遊ぶ
遊ぶ。
ここにも仲良しさん。
工事が忙しい。
遊ぶために作る。
作る。
作る
作る。
作る。
遊ぶために作るのか、
作るから遊ぶのか、
わからないくらい作る。
砂場でも。
積木でも。
作る。
作る
作る。
あら?
どこからか泣き声が。
心配そうなお友だち。
「お水がかかっちゃったのね」
「もう大丈夫」
幼稚園の仲良したちが
遊んでいる。
どの人も
疲れを知らず
いっしょうけんめいだ。
裸足の砂場は
気持ちいい。
見物人も
楽しそう。
“せいかんトンネル”もできあがる。
あら、
ツリーハウスでも何かあったらしい。
遠足に持っていくのに
「てきとうに入れちゃうんだもの!」
「てきとうでもいいの!」
早く遠足に行きたい人と
そうでない人の やりとり。
「きちんと入れれば もっと入るものね」
「だってね、お姉ちゃんがてきとうにしてると
ママが いけません って言うんだもん」
でも、
あっというまにご機嫌が戻る
いいお友だち。
幼稚園の仲良しさんたちは
遊ぶ。
遊ぶ
遊ぶ。
遊ぶ。
遊び続ける。
今日の充実のために。
遊ぶ。
遊ぶ。
遊ぶ。
遊ぶ。
自分自身を
作り上げるために―――。